本州最南端の島から・・・


海金剛です   
by umikongou
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海金剛の伝説

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昔、樫野の村に お浪(なみ)という美しい娘がいました。村の庄屋の善兵衛はお浪が大好きでした。お浪も心のやさしい善兵衛が大好きでした。しかし、お浪の家は貧しく 庄屋の息子との仲も身分の差がゆるされません。善兵衛は温和な若者で、お浪を愛する気持ちに変わりはありませんでしたが、親の勧める縁談を断りきれず 古座の娘と結婚する事になりました。
善兵衛の婚礼の日 悲しみに心を打ちひしがれたお浪は 泣きながら姿を消しました。あくる日、お浪の姿が見えないのに気づいた村人が お浪の行方を捜しましたが何処にもいませんでした。
やがて、次の年の春 善兵衛が友人と樫野埼の草道を通りかかった時、なにげなく目の下に見える海金剛の方を眺めた善兵衛は「あっ!」と、声をのみました。三角にとがった岩場に 素っ裸の娘が腰をかけ しずかに黒い髪をといているのです。「・・・・あ、あ」善兵衛と、友人は、言葉にならない声をゆすりだしました。それは、髪の長い美しい娘でした。娘は善兵衛の方を見上げると にこりと微笑みました。「お、お浪!」善兵衛は叫びました。しかし次の瞬間、どうしたことかそこにはもう、お浪の姿はありませんでした。
それから、お浪の姿を見たものは誰もいません。
村の人たちは、海金剛の三角岩を お浪の「髪とき岩」とよんで、ながく語り伝えました。
月のうつくしい夜、海の底の竜宮にいったお浪が、岩の上で髪をといているのだ、と。                                                      紀州の伝説より
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by umikongou | 2007-05-14 22:45
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